ヘルパー研修(認知症ケアと法令順守について)

昭和介護センター代表の中山です。

 

11月22日と27日にヘルパー研修を開催しました。

 

社員向けの研修ですが、社外の方にも参考になれば…と思います。

 

今回のテーマは、

①認知症ケア

②倫理・法令順守

の2つ。

前後半に分けて行いました。

 

前半の認知症ケアについては、認知症の基本知識のおさらいと

認知症の方々がどのような世界を体験し、どのように感じているのかを考えながら対応を検討する。

という普段のケアの内容への問題提起を行いながらの研修を行いました。

 

例えば、

「物盗られ妄想」について。

ヘルパーや家族に物を盗られた。と妄想し、不安・不信に陥ることです。

ヘルパーや家族からすると、身に覚えのない窃盗行為を疑われる事で、不快な思いから支援への気持ちが切れてしまうこともあります。

利用者様からすると、その人物を疑うことで、自宅に訪問されることも拒否的になります。

特定の人物が疑われてしまうと、その方が支援に入れなくなるほどの問題に発展します。

 

疑われた方は疑いを晴らそうと必死に盗っていない事を説明しがちですが、今回のテーマに沿って対応を考えると…

 

利用者様が財布をバッグからタンスに片付けた。とします。

でもそのことを利用者様が記憶できていなかったとしたら?

「財布がバッグにない!」

となっても不思議ではありません。

 

そこで、ヘルパーが

「タンスにありましたよー」と持ってきたら?

さらに、それを何度も繰り返していたとしたら?

 

利用者様からすると、

なぜこの人が財布の場所を知っているの?

この人が隠したの?盗もうとしていたの?

となっても自然なことです。

 

このような場合は、タンスからそっと取り出し

さりげなくテーブルの上に置いて利用者様が見つけるのを待つなどの対処も、時には有効になってきます。

 

というような研修です。

 

他にも、食事を食べたばかりなのに「食べていない」と訴える場合。

これは、「記憶障害」が影響して食べたことを忘れる。

「満腹中枢の働きの衰え」により、食べたのに満たされない。

などの原因で起こるため、すごくおかしな症状ではありません。

 

ヘルパーや家族からすれば、

さっき食べたばかりであることを教えよう!

食事量が増えすぎるので、食べさせないようにしないと!

となりがちです。

 

でも、利用者様からすると、

「食べていないから食べたいと言っているのに食べさせてくれない!」

「お腹が空いているのに食事を出してくれない!」

「空腹でイライラする!」

と感じているかもしれません。

 

こんな時は、

「食べた」という事実を押し付けたり、

「食べた・食べない」という論争を行ったりするのは解決にはなりません

利用者様の気持ちを考慮し、

「準備するので少し待ってくださいね」と伝え、気持ちを受け止めた上でどのようなるか様子を見る。

「まだ材料を買いに行っていないので、小さなおにぎりだけでも用意しますね」と食事に大きな影響の出ない量でその場をしのぐ。

といった対応が成果を出すかも知れません。

 

といった、現場に則した内容を行いました。

 

ヘルパーといえども人間なので、

どうしても感情的に事実を伝えたくなるのも事実です。

そこを再度考え直し、ヘルパーと利用者様双方に取って良い選択をしようという研修でした。

 

前半はこの内容をグループワーク形式で各ヘルパーの経験した利用者様の事例検討を行ったため、かなり熱い研修になりました。

 

 

後半の倫理・法令順守についてですが、

倫理は今年度すでに一回行っているため、

「法令順守」のおさらいをしました。

 

「刑法」「医師法」「高齢者虐待防止法」のおさらいでしたが、時間の都合上、法律の大枠しか説明できず、後は資料を読んでください。

という簡単な研修の後半になってしまいました。

テーマがテーマだけに、短時間では難しいですね。

 

研修の中で、意外と「医師法17条の解釈」が浸透していなかったので、簡単に説明します。

 

「平成17年7月26日付け医政発第0726005号厚生労働省医政局長通知」から、

医療機関以外の高齢者介護・障害者介護の現場等において判断に疑義が生じることの多い行為であって原則として「医行為」ではないと考えられるものとして、

1.水銀体温計・電子体温計により腋下で体温を計測すること、及び耳式電子体温計により外耳道で体温を測定すること。

2.自動血圧測定器により血圧を測定すること。

3.新生児以外の者であって入院加療の必要がない者に対して、動脈血酸素飽和度を測定するため、パルスオキシメーターを装着すること。

4.軽微な切り傷、擦り傷、やけど等について、専門的な判断や技術を必要としない処置をすること。(汚物で汚れたガーゼの交換を含む)

5.患者の状態が以下の3条件を満たしていることを医師、歯科医師又ほ看護職員が確認し、これらの免許を有しない者による医薬品の使用の介助ができることを本人又は家族に伝えている場合に、事前の本人又は家族の具体的な依頼に基づき、医師の処方を受け、あらかじめ薬袋等により患者ごとに区分し授与された医薬品について、医師又は歯科医師の処方及び薬剤師の服薬指導の上、看護職員の保健指導・助言を遵守した医薬品の使用を介助すること。具体的には、皮膚への軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く。)、皮膚への湿布の貼付、点眼薬の点眼、一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む)、肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧を介助すること。

□ 患者が入院・入所して治療する必要がなく容態が安定していること。
□ 副作用の危険性や投薬量の調整等のため、医師又は看護職員による連続的な容態の経過観察が必要である場合ではないこと。
□ 内用薬については誤嚥の可能性、坐薬については肛門からの出血の可能性など、当該医薬品の使用の方法そのものについて専門的な配慮が必要な場合ではないこと。

というものがあります。

 

大手の事業所様の社内規定で禁止されていることのある

軽微な切り傷、擦り傷、やけどの処置も場合によっては可能です。

また、坐薬については、専門的な配慮が必要でないものは可能です。

もちろん、医師から処方された湿布の貼替も可能ですし、点眼も行えます。

訪問看護で対応しなければならないと考えているヘルパーも多いようなので、これは全体へ周知する可能性があったな。

と感じました。

 

また、病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合を想定して担当者間で決め事は必要ですが、

(1)爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること。

(2)重度の歯周病等がない場合の日常的な口腔内の刷掃・清拭において、歯ブラシや綿棒又は巻き綿子などを用いて、歯、口腔粘膜、舌に付着している汚れを取り除き、清潔にすること。

(3)耳垢を除去すること。(耳垢塞栓の除去を除く)

(4)ストマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること。(肌に接着したパウチの取り替えを除く。)

(5)自己導尿を補助するため、カテーテルの準備、体位の保持などを行うこと。
※ 平成16年10月22日付け16国文科初第43号文部科学省初等中等局長通知の別添1の追記II「非医療関係者の教員が医療行為を実施する上で必要であると考えられる条件」に掲げられた諸条件を満たす必要はない。

(6)市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いて浣腸すること。
※ 浣腸器は、挿入部の長さが5から6センチメートル程度以内、グリセリン濃度50%、成人用の場合で40グラム程度以下、6歳から12歳未満の小児用の場合で20グラム程度以下、1歳から6歳未満の幼児用の場合で10グラム程度以下の容量のもの。

も可能です。

 

巻き爪などの爪に異常がある場合は対象外ですが、通常の爪切りは対象です。

また、市販のいわゆる「いちじく浣腸」も対象になることが多いです。

 

ヘルパーが対応しても良いのかいけないのか。

もちろん社内規定で法律以上に規制を行なっている事業所も多数ありますが、判断はけっこうしっかり決まっています。

ヘルパー個人の解釈で、安易に「法律で禁止されていますので!」というような事がないようにしたいですね。

 

もっと細かいところまで知っていくとヘルパーとしての幅が広がるのですが、今回はこれ以上長くなるのを避けるために省略します。

 

痰吸引・経管栄養・導尿は条件を満たせば可能ですが、これこそ説明にかなりのボリュームが必要なのと、弊社では提供していないので、

ご興味がある方は、こちらの厚生労働省のホームページをご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/tannokyuuin/index.html

 

株式会社昭和プリント

取締役 シニア事業部長

中山 高文

大阪市東淀川区の

上新庄(ええやん昭和介護センター)

淡路(おおきに昭和介護センター)

井高野(あしすと昭和介護センター)

の3か所で訪問介護事業所を運営しています。

約80名のホームヘルパーさん達とともに、

日々地域の福祉に貢献できるよう奮闘中です。

 

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